この記事では、 クリエイター支援サイトとクラウドファンディングサイトはどう違うのかの解説と、国内のクリエイター支援サイトの紹介をしています。
海外では、一般化しているクリエイターにたいする支援です。
また、日本でも「クリエイター支援サイト」や「クリエイター支援プラットフォーム」として、Enty やファンティアといったサイトが数年前から運営されているのです。
しかし、まだまだ一般的な認知度は低いかと思うので、現在日本で運営されているクリエイター支援サイトをそれぞれの特徴とともに紹介します。
1.クラウドファンディングとクリエイター支援
クラウドファンディングとは、映像制作などの「プロジェクト」に対して支援を募るもの。
一方、クリエイター支援とは、クリエイター個人の「日々の製作活動」に対して支援を募るものであるということです。
ファンクラブに似た仕組みですね。
クリエイターは、収益を得ながら作品を作り続ける事ができるようになり、支援者は好きなクリエイターを直接応援することができて特典を得ることもできます。
2.各クリエイター支援サイトの特徴
1) pixiv FanBOX (ピクシブファンボックス)
運営はピクシブ株式会社。
イラストコミュニケーションサービスを提供する「pixiv」、pixivと連携したネットショップ作成サービス「BOOTH」などを運営しています。
pixiv FanBOX は2016年12月1日開設。
もともと限定されたクリエイター向けのサービスでしたが、2018年4月26日から一般クリエイターも利用可能。
手数料等
クリエイター側 | ||
サービス使用手数料 | 支援額の10% | |
振込手数料 | 30,000未満 | 200円 |
30,000以上 | 300円 | |
最低振込金額 | なし(振込申請を行う) | |
支援者側 | ||
支払い方法 | クレジットカード(VISA / MasterCard) | |
PayPal決済(銀行口座 / クレジットカード) | ||
コンビニ決済 |
※Vプリカ、Kyash、デビットカードでも可能
メリット
- 既に知名度の高い pixiv からのユーザー流入が見込めそう。
- Pixiv を運営している会社という事で安心感がある。
- BOOTH で販売しているグッズが、pixiv FANBOX 内で表示される。
- 予約投稿ができる。
デメリット
- サイトのトップからクリエイターを探しづらい。ただし、フォローしているクリエイターを探す機能はある。
- バックナンバー機能が無く、過去の記事も見ることができる。
公式サイト pixiv FanBOX > さぁ、創作を始めよう
2) Fantia (ファンティア)
運営は株式会社虎の穴。
同人誌を中心とした漫画関連商品などを、店頭販売および通信販売する同人ショップ「とらのあな」を運営しています。
ファンティアは2016年開設。
手数料等
クリエイター側 | |
サービス使用手数料 | 会員費・商品販売代金の8%(2019/6/1~) |
振込手数料 | 324円 |
最低振込金額 | なし(振込申請を行う) |
支援者側 | |
支払い方法 | クレジットカード(VISA / MasterCard) |
コンビニ決済 | |
Fantiaコイン(antia独自のプリペイド式支払い方法) |
※Vプリカ等の各種 VISA プリペイドカード・デビットカードも可能。
メリット
- プランで設定された金額以上に上乗せして支援することが可能。
- バックナンバー購入機能がある。
- Fantia は男性向け、Princess side は女性向けと、ターゲットの分離ができている。女性向けだけ見たいのに、男性向けだけみたいのにという方には最高の環境といえるでしょう。
- とらのあなを運営している会社という事で安心感がある。
- ファンクラブページで自家通販・ダウンロード販売によるファン向け商品販売ができる。
- 自家通販で匿名配送が利用できるようになる(予定)
デメリット
- 予約投稿ができない。
- 1年で売り上げが消滅してしまうので、自分で振込申請をする必要があります。少額だからと放っておくとうっかり消滅してしまうかもしれません。
公式サイト Fantia > ファンティアの楽しみ方・使い方
3) Ci-en (シエン)
運営は株式会社エイシス。「DLsite.com」をはじめとする総合二次元コンテンツサービス事業を展開しています。
Ci-en は2018年4月16日の開設。
手数料等
クリエイター側 | |
サービス使用手数料 | 支援額の10%(クリエイター招待で売上手数料が割引) |
振込手数料 | 無料 |
最低振込金額 | 5,000円 |
支援者側 | |
支払い方法 | クレジットカード(VISA / Mastercard / JCB) |
DLsiteポイント |
クレジットカード以外にもVプリカ、電子マネー・ネットバンク・コンビニ前払い・銀行振込(バーチャル銀行)、ドコモ ケータイ払い、WebMoney 決済、ビットキャッシュ、Yahoo! ウォレット、au かんたん決済。もちろん VISAデビットカードでも購入できました。
メリット
- バックナンバー購入機能がある
- 予約投稿ができる
- 支援金の支払い・受け取りを Dlsite.com のポイントでもできる
- DLsite.com を運営している会社という事で安心感がある
- DLsite.com の作品ページ・サークルページからの誘導リンクがある
- 支援者に対して、DLsiteで販売中の作品の割引クーポンを発行ができる
デメリット
- 手数料が下がって今のところこれといったデメリットはなさそう。
公式サイト Ci-en > 思っているだけじゃ伝わらない。気持ちをカタチに変えて、 クリエイターを支援しよう。
4) Enty (エンティ)
運営は Enty株式会社
(2019年6月1日 株式会社ユービジョンから変更)
(2018年9月1日 株式会社onetap から変更)
Enty は2015年開設。
手数料等
クリエイター側 | |
サービス使用手数料 | 10%~5%(招待キャンペーンによって変動) |
振込手数料 | 200円(振込額が50,000円以上だと無料) |
最低振込金額 | 1,000円以上で振込申請が可能 |
支援者側 | |
システム利用料 | 3.6%(Entyポイント以外は一決済あたり50円の追加手数料) |
支払い方法 | クレジットカード(VISA / MasterCard / JCB) |
銀行振込 | |
PayPal決済 | |
Edy決済 | |
Entyポイント |
Entyポイント
- 有効期限は180日間、未使用のポイントは消滅。
- 最低チャージ額は1000ポイント
- ポイント購入の場合もシステム手数料は3.6%かかる。
メリット
- ユーザー数が多い。
- 予約投稿があり、例えば毎週〇曜日の何時に投稿したいと言うときに役立ちます。
- プランで設定された金額以上に、上乗せして支援することが可能。
デメリット
- 支援者が居るとクリエイターが退会できないので、クリエイターが投稿をやめても、支援者が支援をやめないと支援金の引落だけは続きます。
- 支援者が1人のクリエイターに対して支援プラン変更をする場合、その月の支援金が重複引落になる可能性がある。
まとめ
同じ月に開始した pixiv FanBOX の一般開放と Ci-en ですが、連動しているサービスの違いもあって、登録しているクリエイターの傾向にも違いがあるようです。
- Ci-en は DLsite 出品サークルからの登録でゲームや音声作品といったカテゴリのクリエイター割合が半数近くを占めています。
- pixiv FanBOX は pixiv ユーザーからの流入なのでイラスト・漫画を公開するクリエイターが多いという印象です。
1度どこかで始めてからだと、別のサービスに移動するのはクリエイターにとっても支援者にとっても負担になります。
そうならないためには、長く続けられそうなところで始めたいですね。